【OOSHITA’s BLOG】
私たちは森田さんに案内され、席に着きました。
どうやら森田さんは、私たちの方から連絡を取ってくるとは思っていなかった様子。
「またお越しいただいてありがとうございます。
弊社のどういうところを気に入っていただけたのか、聞かせていただいて良いですか?」
私はとりあえずデザインとアイシネンだと答え、そこから話をスタートしました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
デザインの多様性については、
「弊社のデザインはある意味、特徴がないのが強みです。
こちらが作りたいものを押し付けるのではなく、お客様が求めているものをしっかりとヒアリングして、できる限り汲み取って形にします。
お客さんが100人いれば、求められる家は100通りですから。」
とのこと。
「100人いたら100通り」というのは、森住建さんが掲げる理念の一つで、その後も折につけ耳にすることになりました。
これは本当にその通りだと思うので、なるほど、そうですよね〜と共感。
自分たちの好みやライフスタイルにちゃんと合わせた家を作ってもらえるのは良いですよね。
その上で、施工例にあったようなオシャレな家にしてもらえるなら、まさに万々歳です!
ただその一方で、実はちょっと不安もありました。
私たちは特にデザインセンスがあるわけでもなく、確固たる理想の家の形があるわけでもない、普通の素人。
だからプロの知識とセンスでしっかり提案してもらわないと、全く面白みのない家になってしまいそう…
この時はそんな不安も頭をよぎりました。
後に、要らぬ心配だったと分かりましたけどね。
次に断熱材のアイシネンについて。
性能の高さは自分で調査して納得していたので、ここでは気になる値段のことを聞いてみました。
私「アイシネンのこと調べました。
すごく性能がいいんですね!びっくりしました」
森「そうなんです!
断熱はやっぱり住み心地に響いてきますから、弊社としても大事に考えています。」
私「ただ、やっぱり良いものは高いというか。
断熱材をグラスウールにした場合と比べると何倍も高くなるというデータも見つけて、それにもびっくりしちゃったんですが…」
森「あはは、そうですか。
でも弊社の場合は標準がアイシネンなので、その点はご安心いただいて良いですよ。」
標準がアイシネン。
つまり、アイシネンの採用について追加費用はかからない!
聞きたかった言葉がサラッと出てきて、内心ガッツポーズの私。
でも、喜ぶのはまだまだ早い!
追加費用なしでアイシネンを採用できるということは、高価なアイシネンの価格が最初から家の価格に乗っかっているということ。
その分、家の価格は当然高く設定されているはずなのです。
そこで、家全体としてどれくらいかかりそうなのかを探るべく、話をそっち方向に誘導。
いわゆる坪単価の話に持っていきました。
ウチの予算で、現実的に森住建で建てることができるのか。
ここは大事なポイントです!
ちなみに、私と嫁の間では、あらかじめ
「坪65万円を超えたらアウト」という意思統一がしてありました。
頼む、超えないで!
森「いわゆる坪単価で言いますと、注文住宅の場合、どこの会社にお願いしても実質50万円前後はかかると思います。
超ローコストで有名なTホームさんでも、キッチンとかの設備を入れてちゃんと暮らそうと思うと、結局それなりの値段になりますから。
平均ということで言いますともう少し上がって、大体○○万円くらいじゃないでしょうか。」
へぇ〜、一般にはそうなんだ。
それくらいの値段なら、まだ守備範囲。
でもX工務店の例もあるから、平均とはかけ離れた値段を言われるのかもしれない。
頼む、65を超えないでくれ!
私「で、森住建さんはどうなんですか?」
森「はい?」
私「森住建さんで建てた方の平均は?」
森「ああ、失礼しました。分かりにくかったですね。
ウチの平均が、その○○万円くらいです。
もちろんあくまで平均の話ですから、上下はしますけどね。」
うおお!
手が届く!
施工例にあったようなオシャレ注文住宅、しかも断熱材をアイシネンにして、手が届く!
内心、拍手喝采!
森住建という選択肢が一気に現実味を帯びた瞬間でした。
しかし!
ビジネスとは騙し合い、タマの獲り合いです。
今後の商談を優位に運ぶためには、ここでこっちの浮かれっぷりを悟られてはなりません。
私は必死の努力でポーカーフェイスを貫き、「ふ〜ん、まあまあだね」みたいな顔を保ちました。
表面上、デューク東郷ばりのクールさ。
でも、チラリと横に目をやると…
ヨダレを垂らし、目をキラキラさせて はしゃぎまくっている嫁。
私の密かな努力は、全て水の泡となりました。