【OOSHITA’s BLOG】

K工務店の次に私が見に行ったのは、Suumoなどで見て目をつけていたn工務店。
愛知県一宮市にあります。
ちなみにnは小文字です。

もともと富山県の会社だそうですが、だんだん大きくなって岐阜県高山市に進出し、ついには本社を愛知に移したのだとか。
その経緯だけ見ても、けっこう勢いのある会社だと思われます。
いずれは東京本社なんてのを狙ってるのかも?
それで地元富山のお客さんたちが喜ぶかどうかは分かりませんけどね。

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というわけで工務店としては大規模、値段も高めの設定だということは、あらかじめ調べをつけていました。

ただ、値段はちゃんと聞いてみないと分からないし、何より雑誌などに載っているモデルハウスの写真がとてもハイセンスで、大人っぽい雰囲気があるのです。
なので、これはぜひ実物を見てみたい!と思い、また休日出勤のついでに足を伸ばし、一宮まで行ってきました。

着いたのは、大きなログハウス調のオシャレショールーム。
予約も何もしていないので、飛び込みで入ってみました。

中は全然仕切りのない、ただただ広い空間。
雑誌で見たようなモデルハウスとは目的が違う建物だったんですね。私としてはちょっと当てが外れました。

間もなく、明らかに新入社員だろうと思われる可愛らしい女性社員さんが先輩社員の指示を受け、私に声をかけてきました。
いかにも「恐る恐る」という感じで話しかけてきたところを見ると、普段は裏方の仕事をしているのかもしれません。
もしくは私の風貌がよっぽど怖いのか。

そんなわけでろくに話もしないまま、「とりあえず記入をお願いします」と渡されたアンケート用紙。

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いやいや、ちょっと待ってよ。
オレ、相手を見てから記名の判断するからさ。
頼れそうな人が担当になってくれるなら、その段階で書かせてもらいますよ。

と思いながらも、勝手にスラスラと書いてしまう私の手。
かわいい子にはめっぽう弱いのです。

とはいえやはり、この人はまだ見習いのような段階だったようで、込み入った話はできませんでした。
15分ほどして、他のお客さんの相手をしていた上司の手が空くと、そこからいよいよ本題です。

この上司はショールームの責任者で、一級建築士の資格を持っていました。
n工務店は設計士が営業も兼ねるそうです。
その分、プロの営業マンのような愛想の良さやサービス精神は無いように感じましたが、設計面の話が最初からしっかりできるのはメリットかな、と。

色々と聞いた話の中からざっくりと特長だけ言うと

・高いデザイン性
・無垢材や漆喰の壁を使った自然な住空間
・一戸一戸、窓一枚一枚の位置や大きさにも細かくこだわった家を提案する

というのが売りのようでした。

ひと通り話を聞いた後、本来は事前予約が必要というモデルハウスへ。

ここでは、玄関にあえて小さい扉を使ったり、庭に甕を置いて水面の光を室内に反射させたりと、「窓の1枚1枚」の話を裏付けるようなアイディアが随所に見られました。

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また、玄関で来訪者を出迎えてくれるのは、「版築」という伝統工法で作られたなんとも味のある壁。これを我が家で採用するのは現実的じゃないと思いますが、でも相当カッコいいです。

このあたり、大手のモデルハウスではあまり見られない、日本的な感性が感じられました。
うん、嫌いじゃないぞ。

ただ、その裏返しで、家の中が全体的に暗い…。
もちろん希望次第で明るい家にもしてもらえるんでしょうが、とにかくモデルハウスの印象としては、まず「暗かった」というのが私の中に強く残ってしまいました。

あと、値段入りの施工例も多数見せていただいたのですが、やはり少々高めです。
大手よりは少し安いのかなぁという程度。
もうちょっと抑えてほしいというのが本音でした。

もう一つポイントになったのは、地震への耐性を示す耐震等級のことでした。

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n工務店の家の耐震等級は、基本的に「2」なんですね。
3段階のうちの2。
大手だと最上級の3が当たり前でしたから、大手ばかりを回ってきた私は「大丈夫かなぁ」と不安に感じてしまいました。

もっとも、ちゃんと調べてみると、耐震等級2というのはかなり充分な強度。
(※ 数百年に一度程度発生する大規模地震に対して、倒壊、崩壊しない程度の強度が耐震等級1。その1.25倍の強度で耐震等級2、1.5倍の強度で耐震等級3となる)

在来工法の場合、まず耐震等級1と認められるためには、耐力壁の量とバランス、接合部の強さなどをチェックされるそうです。
しかし耐震等級2または3を取るには、これらをさらに高い基準でクリアしなければならないことに加え、等級1では審査されない床の強さ、基礎の強さ、梁の強さといったところもチェックされるとのこと。

つまり、等級1ではちょっと不安だけど、等級2以上だとチェック項目も増え、安心感がぐっと増すんですね。
等級2と3の差異については色々な意見があり、等級3について「そこまで必要? 2で充分じゃない?」という考え方もかなり多い様子。

まぁ私はビビリなのでそれでも等級3を求めてしまいますが、等級2の基準も、私が思っていた以上に高いことが分かりました。

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ただ、これは後日私が自分で調べた内容。
n工務店での打ち合わせでは耐震等級2の安全性について詳しい説明はなく、こちらから聞いても「どうしてもと言われるなら、等級3の建物も作れますが…」という感じで流されてしまいました。

その場に営業のプロがいたら、こちらが考えていることを汲んで、しっかりと説明していただけたかもしれませんね。

こんな感じで、悪くはなかったけど、事前に期待していたほどにはしっくりこなかったn工務店。
結果、「素敵な家ですね。縁があったらまた来ます」くらいの感触で終了しました。

場所が遠いこともあって、結局その後また会いに行くことはありませんでした。