【OOSHITA’s BLOG】
尊敬する人物は?
という、定番の質問があります。
私がこの質問に真剣に答えるならば、面白味は無くともやはり両親か、かつての上司と答えるでしょう。
嫁のことも尊敬しています。
でもそんな身近な人じゃなくて、偉人とか有名人で言うと…?
私の場合、何人か浮かびますが、そのうちの1人はこの方です。
宮本武蔵…ではありませんよ。
武蔵を描いた「バガボンド」などの作品で知られる、漫画家で芸術家の井上雄彦先生です。
揺るぎないモノを持った、まさにプロフェッショナル。
かの「スラムダンク」の連載を終えた後、1998年から現在まで井上先生が丁寧に描き続けているのが、この「バガボンド」という作品です。
作者自身は「あくまで漫画、エンターテインメントであることを大切にしている」という意味のコメントをしていますが、そのクオリティはもう普通の漫画の域からはみ出しまくり。
漫画としての面白さはもちろん持ちながら、同時に哲学書であり、芸術作品なのです!
あんまり熱く語りだすと終わりが無くなりますから、バガボンドの説明はこれくらいにして、本題へ。
先ごろ、私はインフルエンザにかかり、数日間一人で自宅に閉じ込められていました。
その寝床でバガボンドを読みながら思い立ちました。
「ヒマだ!絵を描こう!」
久しぶりに読んだバガボンドのハイレベルな絵に刺激を受けちゃったんですね。
で、何を描くかと考えると、
まさに今読んでいるバガボンドの世界か、
あるいはついに完成した自分の新居。
そのどちらかを描きたい!
で、結局バガボンドの主人公、宮本武蔵を描き始めました。
我が家のイメージと合うよう、黒いキャンバスに白い描線。
井上先生の画法とは、全然違いますけどね。
ところが描き進めるうちに、ふと、子供じみたアイディアが浮かびました。
「武蔵がウチにいることにすれば、武蔵と家を一緒に描けるじゃん!」
普段なら1秒で却下するような、しょーもない発想。
でもこの時はインフルの影響もあってか、とりあえずやってみる気になりました。
江戸時代の人物と新築の家のコラボ。
まさに和モダンじゃないか、と。
さて、剣豪を招くなら、LDKへというわけにはいきません。
やはり和室ですよね。
ウチの和室の写真を見ながら、光の線を1本1本、描き込んでいきます。
部屋というのは直線が多いので、フリーハンド派の私にとってはチャレンジです。
プリーツスクリーンを取り付けた窓の上部からは、眩しいくらいに光を入れました。
吊り押入れの下の間接照明も、同様に明るく。
その光を武蔵の服や刀に反射させます。
メリハリを強めにつけるため、光源と反射部分以外は描き込まず、暗いままとしました。
原画の武蔵は吉岡清十郎との死闘の後で、左眼を包帯で覆い、厳しい表情をしています。
ですが、私はこの絵を「あわよくば家に飾ろう」という気で描いたので、表情を少し柔らかく変え、左眼の包帯は痛々しいのでやめました。
じゃあ頭の包帯もやめたら?って声が聞こえてきそうですが、頭は最初に描いちゃったので、まぁ、そのままで…
こうしてひとまず、形になりました!
我ながら、なかなか良いんじゃない?
グダグダな作品になるかもと思ってただけに。
でも飾るとなると、なんかちょっと、寒々しすぎるなぁ…。
ということで、この白黒の作品のほんの一部にだけ、色をつけることにしました。
ガラスに活けられた植物に朱(あか)を、
刀の下緒に紫を。
そして味付けに、作品内の台詞を入れてみました。
そのまま筆で書こうかと思いましたが、ちょっと長いし和風になりすぎるので、ここは敢えて英語で。
最後に日付を入れて、完成!
ブログだとどうしても画質が落ちて、色が滲んでしまいますね。
ま、しょーがない!
およそ半月かかりましたが、描いていて楽しい1枚でした。
こんなにゆっくりと絵に取り組んだのは久しぶり。
ありがとうインフル。
また来年・・・ 笑
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P.S.
summerさんをはじめ、わざわざ見学会に足を運んでくださった方々、ありがとうございました。
私たち自身が他の方のお宅で色々ヒントをいただいたように、我が家からも何かを持って帰っていただけたら嬉しいです。
見学会は明日もやっているそうなので、興味のある方はどうぞお気軽に立ち寄ってくださいね!