【OOSHITA’s BLOG】
玄関から家に入り、玄関ホールを抜けてLDKへ向かうと、玄関ホールとLDKの間に、もうひとつ別のホールのような、通路のような、なんともいえないスペースがあります。
玄関ホールからLDK方向を見たところ。これがその「なんともいえないスペース」です。
廊下としては幅広すぎるのですが、ほかに呼びようがないので私は廊下と呼んでいます。
当初の設計では、この廊下はぜんぜん廊下っぽくなく、「リビングルームのボコッと出たところ」でした。
左頭上には鉄骨階段が伸びていました。
ずっと昔に書いた話ですが、ウチのLDKには本来、スケルトンの鉄骨階段が据えられていたんですよね。
しかし嫁の体質上スケルトンNGのわが家では、鉄骨をやめて普通の階段に変更。
そのため、階段下スペースは壁でふさがれ、そこは階段下収納になりました。
これで収納が増えて便利になった一方、LDKの一部が階段の幅のぶんだけ細くなり、廊下っぽくなったわけです。
実を言うと、最初にこの廊下みたいなスペースに気付いたとき、ちょっとムムッと思いました。
だって廊下って、「無駄なスペースだから、なるべく無くさなきゃ」っていうイメージですよね。多くの人がそう言うし、私もそう思っていたし。
予算とか冷暖房効率を考えると、それはもっともな考えです。
でも実際に暮らしてみると、これはこれで必要なスペースだなぁと思えます。
この廊下のおかげで、四角いLDKに奥行きが感じられるようになっているし、
子供のすべり台とかを置ける程度の広さがあるから遊び場になるし、
脇にあるクローゼットからはノンストレスで悠々と服や荷物、掃除機などを取り出すことができるし。
それにある時、うちに来たお客さんに「廊下があって羨ましい」と言われたことがあって。
というのは、アパート住まいの彼女は赤ん坊を抱っこして寝かしつけるのに四角い部屋の中をぐるぐると歩き回るしかなく、それが辛い。だから、子どもを抱っこして歩けるスペースとして廊下が羨ましいということでした。
まぁこれは「長いスペースが羨ましい」のであって、廊下じゃなきゃいけないということではないのですが、
でも彼女が言う「狭い部屋をぐるぐるするのが苦痛」というのは私もアパート時代にいつも感じていたことで、よく理解できました。
今では子供も少し大きくなり、抱っこで寝かしつけることはなくなりましたが、そうなると今度は抱っこして走り回ったり、走って追いかけっこをしたり、おもちゃの車を走らせたり…ということが多くなりました。
だから今のところ、この廊下の出番は減っていません。
そしてこの廊下部分は、実は目を楽しませてくれるスペースでもあります。
LDKに向かってここに差し掛かると、右手の壁一面が大きなFIXガラスになっていて、そこからたくさんの光が取り込まれているのがわかります。
そしてそのガラスの向こうに、
私のお気に入りのスペース、小さな中庭が臨めるのです。